アンコンシャス・バイアスの対策

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アンコンシャス・バイアスとは

人が無意識のうちに持つ固定観念であり、性別、年齢などを根拠として無意識の内に決めつけてしまうことです。自分自身で自分のアンコンシャス・バイアスに気づいていないケースも多く、またアンコンシャス・バイアスは過去の経験や習慣、周囲の環境などから身につくもので、米国のシリコンバレーで2000年頃に生まれた概念だとも言われています。2018年に、スターバックスが店内での無意識の人種差別に対するデモが発生したことを受けて、全米の店舗を閉店しアンコンシャス・バイアス研修を行うといったことが過去にあり、この言葉をご存知の方も多いと思います。例えば、

・男性は運転がうまい

・若い人は発想が新鮮

・女性だから出しゃばらないほうがいい

・小さい子がいる家庭を持つ社員はなるべく負担を減らしてあげたほうがいい

・自分と同じやり方をすれば、彼女も結果を出せるのに

・経験の少ない彼には無理だろう

 など誰もが一度は自分の持つアンコンシャス・バイアスに気づいたことがあると思います。

アンコンシャス・バイアスが及ぼす影響

アンコンシャス・バイアスは日常の言動となって表れ、相手の心に作用することで職場の人間関係や能力発揮を悪化させることがあります。

また採用、評価、育成などの人材マネジメントや、経営幹部やリーダーの意思決定や行動の選択にも影響を与え、様々な問題を引き起こす恐れもあります。

さらに昨今のように多様な価値観やライフスタイル、属性の人が働く職場では、学歴や年齢、役職など「力」を持つ側が、そのアンコンシャス・バイアスによる言動で、少数派の社員が発言しにくくなったり、組織から「大切に扱われていない」というメッセージに受け取ってしまうことも多くあります。これでは職場の心理的安全性を脅かすことにもなりかねません。

アンコンシャス・バイアスは「悪いもの」ではない?

例えば、先述の「小さい子がいる家庭を持つ社員はなるべく負担を減らしてあげたほうがいい」というアンコンシャス・バイアスは、「小さな子供がいるから、地方出張は他の人に頼むね。」と言われた場合に、「初めてのタスクだから、きちんと責任をもってしたいのに・・・」と失望する人もいれば、「良かった!今は子供と少しでも一緒にいてあげたいから」と思う人もういるかもしれません。どう受け取るのかは、人によって違います。

また「バイアス」という言葉の意味は「深信」であり、その根拠となるのが固定概念や思い込みです。バイアスがあるから不可能と思われることにチャレンジし、時に危険から身を守ることが可能になることもあります。

また「お年寄り扱いをしてはいけない」と自分のアンコンシャス・バイアスを悪と決めつけて、電車で席を譲る、また高齢の方にデジタルツールを無理に扱わせるなどの「思慮深さ」を失っては元も子もありません。

アンコンシャス・バイアスに気づくためのアンコンシャス・バイアスチェックテストや研修は、対人関係や組織においてアンコンシャス・バイアスの悪影響を断つためには非常に大切です。ただ、その気づきによりコミュニケーションがかえって悪くなるのではなく、気づいた結果コミュニケーションが良くなり、組織の心理的安全性や創造性発揮などにつがることが大切です。単にアンコンシャス・バイアスを悪いものとするのでなく、誰もがもっているものとし、もった上でどうしたら良いのかの対策を考えることが重要です。

アンコンシャス・バイアスへの対策

アンコンシャス・バイアスは「無意識」なものなので咄嗟にそれが相手を不快にさせる言動となって現われたり、しかも人間が生きていく過程で皆無には出来ないものなので対策としては、

まず自分が気づいた時(相手を傷つけてしまった時など)に、その原因となった自分のアンコンシャス・バイアスをメモしておくことが肝要です。メモすることにより自分のもっているアンコンシャス・バイアスやその傾向をはっきりと自覚でき、普段から意識できるからです。

さらに、これを組織間、例えばよく耳にする宗教戦争?とも言われる「しょせん営業部隊は」「しょせん開発は」という部門間でのアンコンシャス・バイアスをワークショップでお互いが参加してホワイトボード上に書き出してみるというのも良いと思います。お互いが共通目標である顧客の創造に向かっていくには「まずは情報共有から」となりがちですが、各部門自体が持っているアンコンシャス・バイアスがあるままでは、情報もきちんと共有できません。同じ理由から経営幹部同士でも行ってみると意外と互いのアンコシャス・バイアスが理解できて、組織に存在するAIやBI、HRテックなどがもたらすデータの受け取り方が変わり、打ち手が変わってくることが予想されます。

また、自分にアンコンシャス・バイアスがあることをたとえ認識していても、無意識にその影響での言動をとってしまい相手を不快な気持ちにさせてしまった場合、たいていその相手「今のあなたの言動は不快だ」と口に出していうことは皆無です。相手の表情や声のトーン、リアクションにそれが現れることがほとんどです。小さくても何らかの変化が必ずあります。その変化を見逃さずに、「自分の思い込みから不適切な発言をしてしまった。申し訳ない。」とすぐに謝罪をしましょう。そしてむしろその後に期待や感謝の気持ちを伝えるのを忘れないようにしましょう。言ってしまったことは仕方がないので、そのあとにどう対処するかが大切です。

まとめ

自分自身の、そして組織間に生じるアンコンシャス・バイアスに気づき、改善すれば個人も組織も互いによいつながりができ、成長し続けることができます。そのためにもひとり一人が自分の言動を振り返る機会を増やしていくことが大切です。

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