中途採用した社員の導入教育終了後のフォローのポイント

中途採用した社員の導入教育終了後のフォロー

「中途採用した社員は、フォローをしなくても自分なりに何とか周囲とコミュニケーションをとり馴染んでいける・・・」果たして、本当にそうでしょうか?

どんな人でも入社前に想像していたのとは違う「仕事の進め方」「新しい職場の人間関係」へのストレス、あるいは「早く成果を出したい…」というプレッシャーはあるのではないでしょうか?それをそのまま放置しておくと、本来の能力をなかなか発揮できないばかりか、「こんなはずではなかった…」と早期退職の原因となってしまうことになりかねません。

それを未然に防ぐのが、中途採用した社員のフォローです。それを効果的に行うためのポイントを以下に述べます。

オン・ボーディング

「船や飛行機に乗っている」状態を表す形容詞の「on-board」から派生した造語で、企業による新規採用者(新卒・中途問わず)の「受け入れプロセス」のことです。

「若者の早期離職防止」「転職防止」など視点から生まれた言葉であり、今までの受け入れプロセスの主軸のだった既に企業側で用意したプログラムを使っての「順応化」から「個々のキャリアや能力・スキルの特徴に応じたプログラム」で職場全体で新メンバーを受け入れ、既存メンバーとの「統合化」を創出し、組織全体の生産性を高めるのがオン・ボーディングの目的です。このオン・ボ-ディングの背景にある「統合化」を踏まえると、中途採用した社員の導入教育終了後のフォローは以下の3つが必要なことが分かります。

①ミーティング

(1)目的

1)現状の確認をする
仕事を進める上で困っていること、職場でのコミュニケーションのこと、リラックスして話せる雰囲気を創り出し本音で聞き出す(1対1で、また話の漏れない場所で)

2)今後の方向性をすり合わせる
中途入社の社員にこれからどんな期待しているのかを伝え、中途入社の社員が今後職場で何をしていきたいと考えているのかを確認し、それが会社や部署の戦略や方針、期待する役割と一致しているのか?をすり合わせる


(2)タイミング
職場によるが入社1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後などの「節目」で行う

(3)誰が行うのがベスト?
直属の上司か、もしくは人事担当者

直属の上司は「職場で抱える問題をすぐ理解しすぐ解決できる」「期待している役割を良く理解しており中途採用の社員に伝えやすい」というメリットがあり、人事担当は「業務で直接関 わらない分、本音が言いやすい」というメリットがあります。

最近ではこれらのメリットの違いを踏まえて、例えば入社1ヶ月後は人事担当が行い、3ヶ月後以降は上司が行うなどし、直属上司とうまくいっていなそうであれば、この場合は人事担当が行うなど、「人事は経営のパートナーであるべき」という最近の役割認識の高まりから、必ずしも毎回直属上司が行うべきという考え方は少なくなってきています。
なおその際の上司と人事担当者間の情報共有が不可欠なのは言うまでもありません。

②トライアングルフォロー

「メンター制度」という言葉があります。「メンターとなる年の近い社員が、メンティ(新入社員 )に対し対話によってメンティの気づきや成長を促し、仕事のメンタル面をフォローする」という制度です。

直属上司が中途採用の社員をフォローするのは当然として、「みんな忙しそう」「中途採用なんだから、これくらいは自分で何とかしないと」「上司にわざわざ言う事ではない」と、自分で何でも抱い込みがちな中途採用の社員のために「何かあったらこの人に聞けばいい」という社員を1人置くこと・・・これが上司、本人、メンターの3人による「トライアングルフォロー」です。中途採用の社員にありがちな、仕事を抱え込むだけ抱え込んで、最後には「密かに退職の決意までも誰にも相談せずにしてしまう」という最悪の結果を防ぎ、中途採用の社員から不安や悩みを払拭し、キャリア経験を最大限に発揮してもらうというのがその目的です。

メンターは「上司には言わないで下さい」と中途採用の社員に言われて相談を受けた場合はもちろんそれを上司に言う事はありません。ただしそれ以外のことは「上司をメンターが報告・連絡で教育する」ぐらいのつもりで、中途採用の社員の件で上司と良くコミュニケーションを取れば、上司のマネジメントや指導にも好影響を与えますし、またメンター自身も成長が出来る(=「人を動かす力」がつく)のは言わずもがなです。

➂歓迎する(「招かれざる客」という印象を与えない)

「転校したら自分の下駄箱がまだ出来ていなかった・・・」ではないですが、「自分は歓迎されていない」「自分の受け入れ準備は出来ていない」などの心理が中途採用の社員の気持ちを傷つけることがあります。
このような心理から「疎外感」を感じ、様々な出来事を悲観的に捉えるようになり、「ここは私のいる場所ではない」という「孤独感」を抱いてしまい、ついには退職ということになるケースもあるので要注意です。

(1)社内ツアー
全員は無理でも中途採用の社員のする仕事のキーパーソン、あるいは他部門のマネジャーなどのところに本人を連れて行き、中途採用の社員を紹介する

(2)挨拶は他の社員から先にさせる


(3)早い時期に社員全員に対して(朝礼、Web上、社内報などで)中途採用の社員のことを紹介し、全社員が一日も早く、その「名前」を覚え、「名前」で呼べるようにする。

まとめ

即戦力と見込んで採用した中途採用の社員でも、最初から自力で力を発揮し、活躍していくのは簡単なことではありません。上司や人事担当がそのプロセスがスムーズになるようフォローをする必要があります。
入社直後の不安や悩み、入社前とのギャップなどをそのままにしておいてはいけないのは、新卒入社者も中途入社者も同じなのです。

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