研修の効果測定は「ザックリ」と「巻き込み」がポイント

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【DL資料】研修効果測定の基本と基礎①.png研修効果測定の基本と基礎
~「経営成果」と「研修効果」の「関わり」を設計する~
2018年度の「経済財政白書」では「人材育成のための投資額を約1%アップすると労働生産性は約0.6%アップする。社員の自己啓発支援では1%の投資増額で労働生産性は約0.68%アップする」と書かれています。投資の内容は「研修」だけではありません。OJT(職場内教育)、 OFF JT (研修などの職場外教育)、「教育時間 × それに充てた賃金(機会費用)」、個人の自己啓発支援のための費用など、投資の内容は様々です。「研修を行えば生産性が向上する」と、単純には言えない難しさが実際にはあります。では、どうすれば経営成果や生産性の向上につながる研修になるでしょうか?

 

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ストレスフルな顔して。どうした?また血圧あがっちゃうぞ

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先輩が、実施している研修の効果について説明しろッ!て言うから・・・
そう言えば、先輩、「俺、血圧だけは大丈夫」って言ってましたね?

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良い数値が出るまで、何度も測り直してるからね!

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あッ!いいこと思いついた!

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何?

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研修も同じ。
良い効果が測定できるまで続けること!これでどうですか!

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だめ!


 

s_IMG_丸山.png研修投資への承認を得るために、研修の効果測定について経営陣にプレゼンをすることがありますが、なかなか納得してもらえません。「それは研修のおかげとは言い切れないだろう」と言われて、研修の効果を実感してもらえません。もっと緻密に、研修の効果測定を行って、経営陣に効果を実感させたいのですが、良い効果測定方法はありますか?

s_IMG_原田.png「完璧な研修の効果測定方法」が無いわけではありません。しかし、経営陣を説得するという目的のために、人材開発の実務担当者や関係者の時間と労力を割いて、より正確に効果測定するということが、本当に経営にとって良いことか考える必要があります。成果を上げるために研修を行い、そのために研修への投資を認めてもらうというのであれば、自分一人で効果測定方法を考えるのでなく、関係者を巻き込んで、最適な研修の効果測定方法を選択する方が賢明です。


 

研修の効果測定をするのは関係者(特に経営層)に教育投資を促すためだが・・・


研修の関係者(経営層、受講者、受講者の上司等)の中でも、経営層は実質的に、「研修にお金を支払うか否か」の立場にある人たちです。その人たちに、お金を出してもらう、つまりは新しい研修を導入する、あるいは現在の研修を継続するためには、研修の効果を納得してもらわなければなりません。

しかし、この「納得してもらうこと」は簡単なことではありません。
その理由の多くは、経営層が研修の効果測定の方法や結果になかなか『うん』と言ってくれないというものです。

具体的には、人事や人材開発担当者が、経営陣から「それは研修の効果と言うよりも良い顧客にめぐまれたからだろう」とか、「もともと出来が良い人間が参加したからじゃないか」などの反論を受け、「君は研修のおかげで成果が出たと言うけど、必ずしもそうは言い切れないのでは・・・」という判断をされ、研修の継続が中止させられたり、あるいは新規の研修の導入が却下されたりということがあります。

 

研修の効果測定をより正確で、間違いのないものにする努力の意味は?


研修の効果測定方法としては、カークパトリックの「レベル4」というのが良く知られています。

<カークパトリックのレベル4>

  • レベル1:反応レベル:良い研修だったか
  • レベル2:学習レベル:知識や技術が理解されたか
  • レベル3:実行レベル:学習内容を実行したか
  • レベル4:成果レベル:成果につながったか

この中で、経営層が求めている研修の効果は、無論レベル4です。

上記のパトリックの理論を見ていただければ、すぐお分かりいただけると思いますが、レベル3,4は研修の「教室の中」でのことではなく、主に研修終了後の現場でのことになりますので、「レベル4の成果が出たのはレベル3の実行のせいである」(もちろんその前提はレベル1、レベル2であるが)と「言い切る」のが、難しくなります。さきほど述べた経営層の言葉を借りれば、「確かに実行(レベル3)はあったけど、それ以外にも、彼らはもともと能力が高いという要因もあったので成果(レベル4)が出たとも言えるよね」と言われてしまいやすいわけです。

しかし、そういった意見(反論?)に応えるために、より正確な効果測定を追及しようと、

  • 「優秀でない?層にも研修を行い、成果を見てみよう」
  • 「違う顧客層を担当している人たちにも受けさせて、成果を見てみよう」
  • 「受けていない人たちとも比べてみよう」

などと、効果測定をより正確に行うことに、時間とエネルギーをどんどん割くようになってしまうと、「本末転倒」状態になりかねません。いつかは正確に測定できるかもしれませんが、その過程で、正確さを追及するあまり、

  • 研修の対象者を、むやみに拡大する
  • 現場の事情を考慮せず、研修に参加させる
  • 正確に測定したいがために、現場に負担をかける

上記は、多少オーバーに書きましたが、これでは、「正しい研修の効果測定を行う」ことが目的化してしまい、「成果を上げるためにこの研修を行う」、だから「この研修は成果につながるということを経営層に納得してもらう」という本来の目的がどこかに置き去りにされてしまいます。
「研修の、より正確な効果測定とは?」を追及する学者なら、このようなコストも、その仕事柄、承認されるでしょうが、企業の実務の場において、多大な時間やエネルギーを投入し、しかも現場の時間まで使って、より正確な研修の効果測定することが、承認されることはないと思います。

なぜなら、成果を上げるための唯一の方法は、研修だけではないからです。それが、唯一の方法だとしたら、多大な時間やエネルギー、あるいはお金というコストをどれだけ投入しても良いのですが、そうではないのが現実だからです。

 

「ザックリ」と「巻き込み」が経営層の納得の取れる研修の効果測定のポイント


「ザックリ」と言うのは、研修の効果測定など「しなくて良い」とか「適当に済ませば良い」という意味ではありません。むしろ、私共としては「経営成果に結びつかない研修」を実施、あるいは継続することは、良くないと考えており、より良い研修にしていくためにも、研修の評価を、継続的にきちんと実施していくことに賛成です。そのために、「より正確な研修効果測定」に向けて、最初は「ザックリ」でも、それを徐々に、限界はあるが、より正確なものに仕上げていくことは、望ましいことです。

ただ、上記でも述べたように「行き過ぎた正確さの追求」は、かえって企業のためにはならないので、ある程度の不正確さが残ることは、経営層や研修の関係者に、研修の効果や効果測定方法を説明する際には仕方がないことだと考えています。研修終了後の学習事項の実行度合い調査や会社で行っているサーベイ等を活用し研修実施前後の変化をみて、より正確な研修の効果測定の工夫をすることで、説得の材料には十分になると考えています。

また、私共が現場で多く目にするのが、研修内容の設計や実施方法、その研修の効果測定方法などが、ごく一部の人で決定されているケースです。つまり、研修の関係者を巻き込まずに、人事や人材開発担当者のみで行われている現実です。特に「お金を出す立場」の経営層を巻き込まずに、決定されているケースをよく見かけます。

「7つの習慣」でおなじみの、スティーブン・R・コヴィーは、「人間として自分の人生に対して自ら選択し、自ら責任をとることの大切さを述べていますが、これは「自分で選択した場合、誰かのせいにすることが難しくなるため、責任感を高めることができる」ということだと解釈できます。

  • 予算を取る時だけ、経営層に研修の効果と測定方法を説明する
  • 受講者とその上司には開催を決定した後に、研修の内容と実施する方法を簡単に説明する
  • 研修後や現場に戻ってからの調査やアンケートのときだけ現場に協力を求める

これでは、研修の関係者(特に、お金を出す経営層)は研修の効果やその測定方法に「責任感」を持てません。概して「誰かのせい」という心理の時は批判的になりがちで、そこから納得を引き出すのは難しくなります。

  • 研修の内容や実施方法を検討する企画段階に関係者を巻き込む
  • 内容や実施方法の検討だけでなく、効果測定方法の検討にも関係者を巻き込む
  • 研修終了後の効果測定だけでなく、その評価・改善にも関係者を巻き込む

といった、いわば「関係者の巻き込み」が、関係者の責任感の醸成を促し、研修の効果を上げるだけでなく、より納得感の高い効果測定方法を生み出します。それが結果的に、「完璧で正確な研修の効果測定以外に経営層を納得させる道はない!」ということからの脱却を促すことになると考えます。

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2018年度の「経済財政白書」では「人材育成のための投資額を約1%アップすると労働生産性は約0.6%アップする。社員の自己啓発支援では1%の投資増額で労働生産性は約0.68%アップする」と書かれています。投資の内容は「研修」だけではありません。OJT(職場内教育)、 OFF JT (研修などの職場外教育)、「教育時間 × それに充てた賃金(機会費用)」、個人の自己啓発支援のための費用など、投資の内容は様々です。「研修を行えば生産性が向上する」と、単純には言えない難しさが実際にはあります。では、どうすれば経営成果や生産性の向上につながる研修になるでしょうか?

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