研修効果測定は「目標設定」と「つなぐ」が大切です!

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今年もまた例の営業研修は実施するの?

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はいっ!メンバーにも「ためになる」と好評でして。

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その割には営業メンバーの成果がここ数年横ばいなのはなぜ?

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申し訳ありません。少しずつ行動は変化してきているのですが

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行動変容は結構だがそれが成果に直結しなければ意味がない!

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はい!再度実施の内容を検討します! 


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「我が社の成長」に「我が社の行っている人材育成(研修)」は役立っているのか?と問われると、今回のように経営者に対して、それを説明するのは容易ではありません。


 

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研修効果測定はこういった「企業の成長」への「人材育研成」の貢献を見える化するツールです。その新しい切り口と方法を紹介します。

 

 

「研修効果測定」の方法とは

研修効果測定の方法として良く知られているのが、ドナルド・カークパトリックの「トレーニング・プログラムの4段階評価モデル」です。

モデルの話を始める前に、そもそもこのモデルの背景には…

  1. 研修は「継続すること」がそもそもの目的ではない(やめることも重要)

  2. 研修はそれを行う事が目的ではない(本来の目的は別にある)

  3. 研修は常に改善すべきものである(実施側の自己満足は許されない)

  4. 研修のための研修は不要(成果に貢献するものでなければならない)

  5. 研修効果は測定しなければならない(お金と時間を投資し続けるために)

という基本的な考え方が存在するように思えます。従って、そもそも上記5つのような基本的な考え方が、初めから存在しなければ「研修効果をきちんと測定しなければいけない。そのためにはどのような方法で研修効果を測定したらいいのか?」などという問題意識も湧いてこないはずです。

「効果をいちいち測定しない」という考え方は、世の中にいくらでもあります。例えば食事。「お米をたべることが体のどこにどう役立ったのかを測定しよう」といったことは多くの人はいちいちしていません。「お米は体に良いはずだから食べる」「お米はきっと健康に良い!」…これと同じで「人材育成・教育が社員にとってプラスになることはあってもマイナスになることはない」「社員教育は親心。するのが当たり前。親心の効果測定など不要」こう考える企業は少なからずあるはずです。

しかし一方で「研修効果測定は必ずすべき」という企業もあります。そういった企業は上記5つの基本的な考え方を多かれ少なかれ持っています。だからこそ「正しい研修効果測定をするには」という問題意識を持っているのだと思います。

ただ1点、このような企業が注意したいことは、

「正しい研修効果測定を行う事に拘るあまりそのこと自体目的になってしまう」つまり「手段の目的化」に陥ってしまわないようにするということです。

本来の目的は

  • その研修はその目的に貢献しているか?

  • そもそもその研修の目的は正しいのか?(順番や時期)

のはずです。実は、この2つが「本末転倒に陥らない」だけでなく「研修効果測定」において最も大切なことであると今回はお伝えしたいのです。では話を戻しましょう。
カークパトリック氏の言う「4段階」とは

  1. 反応
    プログラムについて参加者はどのように感じたのか?

  2. 学習
    参加者は何を学習したのか?知識が増えたのか?技術が改善されたのか?
    態度が変わったのか?

  3. 行動・態度
    トレーニング後、職場に戻ってからの行動がどのように変わったか?

  4. 結果
    最終的にどのような成果(量、質、安全、コスト等)が出たか?

 なお詳細は今回書きませんが、「ジャック・フィリップスの5段階測定モデル」というカークパトリック氏の4段階測定モデルにもう1つのレベルとし「ROI(費用対効果)」を加えた学説もあります。

  5.投資対効果(ROI)

 といったところでしょうか。 


「研修効果測定」と「経営者」

 4段階をもう一度ご覧いただくと、レベル1~2と3~5までとでは明らかに違う点があります。それは「その研修効果に影響する要因が、研修そのものか?それとも研修以外のものも多く存在するのか?」という違いです。

3~5のレベルの研修効果測定方法においては、「上司の協力」「いいお客様と巡り合った」「家族との私生活がうまくいきだした」など、研修以外のさまざまな要因が影響して効果が出たのではないか?という問いに「そうではない、研修がその原因だ」と答えることが難しいのではないのでしょうか?

しかも「経営者」と言われる人ほど、レベル4~5に関心が向きがちです。経営成果に、できればすぐつながることを期待するでしょう。
あるいは100歩譲って、時間がややかかったとしても必ず経営成果につながる研修なのかということを常に気にしていると思います。

この経営者たちの、しかも研修効果測定段階の中でも難易度の高い4~5への「期待」と「不安」に応えなければ、自分たちが導入したい「新しい研修」も「既に行われている研修」もその導入や継続が出来なくなる…そんな思いをお持ちの人事や総務や人材開発といった研修実施部門の責任者の方も多くおられると思います。

実際に多くの企業でこの点で調査したCristina HallとJohn R. Mattox II(両氏ともGartner社所属のコンサルタント)が「経営者の多くが『人材開発担当者は1つの研修の成功率を測定することに時間を割き過ぎている』『人材育成が組織化されていない』と言っている」とATD(Association for Talent Development)が毎月発行している「T+D (Training + Development) Magazine」に寄稿していることが先日弊社で愛読しているあるメールマガジンの中に記載されていました。

 「1つの研修の成功率」でなく「人材育成の組織化」を!

この担当者と経営者のギャップを埋めることが経営者の「期待」に応えることになり、研修の導入や継続に役立ちそうです。ただ「経営者の喜ぶ研修が効果の高い研修だ」と言いたいわけではありません。「経営(仕事)に役立つ研修を正しい順番と時間をかけて」が本来の目的です。そのために「正しく研修効果測定をしたい」だけなのです。

しかし、仮にこの経営者達の言う「人材育成の組織化」が「研修の目的の達成」の鍵であるとすれば、それを行うことで、「経営(仕事)に役立つ研修が正しい順番と時間をかけて行うことが可能になる」だけでなく、結果的に「経営者の期待」に応え、研修の導入や継続を可能にすることにもなるのではないでしょうか?

またそれが、これまでの研修効果測定方法の難しい点と言われた、レベル3~5の難しさ、またレベル1から5の「つながり」といった問題への回答となれば、まさに「研修効果測定」の救世主?となる可能性もあると思います。

 

「研修効果測定」は「人材育成環境設計」である

 Cristina HallとJohn R. Mattox IIによると、少なくとも私の解釈では、彼らの言う「人材育成の組織化」とは以下のようなものではないかと思います。

 (詳しくはATDのサイト等での両氏の論文の確認をお願い致します)

  1. 事業の継続的な成功に最も重要な要因となる「価値」に優先順位をつけ
    かつそれぞれを最低レベルと期待レベルで目標を設定する。

    「価値」とは、

    (1)成長の促進(例えば売上向上、シェアの拡大など)

    (2)業務の効率化(利益率、利益額の向上)

    (3)基礎の構築と維持

    (4)リスクを軽減する

    多くの企業が共通して重要視していたのがこの4つであると両氏は言います。但し4つの優先順位は会社の置かれる環境によって違い、規制の厳しい業界に属する会社では(4)に、株主価値を重視する会社は(2)を目的に集中的にそのための人材育投資を行うなどの違いがあるそうです。

    会社毎に、「目標設定」が必要ですし、またこれらは既に設定されている企業も多いのではないかと思います。


  2. 各人材育成策(研修)の目的(目標)が上記1.とどう「つながる」のかを調査、設計(目標と目標のつながりを作成)する。

    カークパトリックとフィリップスのレベル1~4を論理的につなげ設計するイメージです。レベル5の費用対効果についてはレベル1~3が費用、レベル4が効果ということになります。

    ちなみに両氏が上げている設計事例をご紹介すると、

    (1)成長の促進
    さらなる売上向上やシェアの拡大につながる…
    ・「顧客の維持・増加」の目標設定
    ・「プロセス・システム・配置」の改善目標設定
    ・「製品の改善・開発」の目標設定
    ・上記の目標達成のためのスキル・知識の習得及び移転」の目標設定

    (2)業務効率の向上
    さらなる利益率、利益額を向上させるための…
    ・(1)と同様の目標設定の他「生産性向上」「コスト削減」の目標設定
    ・上記の目標達成のためのスキル・知識の習得及び移転」の目標設定

    (3)基礎技術の構築と維持
    「スキル・ギャップ」を明らかにし、それを埋めるための目標設定
    例)時間管理、アプリケーションソフト、コーチング、セールス

    (4)リスク軽減
    財務や評判といったリスクからビジネスを保護するための目標設定
    例)「ポリシー遵守」「業界認定資格取得」「規制や安全訓練の遵守」


  3. 1も2もすべてのステークホルダー(経営者、メンバー、その上司外部研修委託業者等)とその過程、結果を共有していること。

    これがステークホルダーの「エンゲージメント」と「バイ・イン」(引き込み)を引き出し、困難とされてきた「目標設定」と「目標同士のつながり」を作るという人材育成の設計(組織化)を可能にすると思います。ちなみに両氏が「エンゲージメント」と「バイ・イン」のために必要としている「2つの質問」というのがあります。

    (1)よくある質問
    私共の解釈ではこれは「汎用的な解」をベースにした示唆的な質問で例えば「各自の〇〇能力の向上」→「業務の改善・改革」→「顧客の声の変化」→「売上の向上」が一般的な「成長促進」の目標とそのつながりだが、それぞれ4つの目標(「何が、いつまでに、どのレベル」)は我が社の場合は何か?というものになると思います。

    このような「汎用解」は自分たちで情報収集あるいは勉強して習得するのも良いのですが、多くの会社の実例や理論を把握している専門家に相談する方がコストと時間の節約になることも多いと思います。

    当然「良い研修の提供こそが良いサービスである」と思っている研修ベンダーには相談しても無駄になります。「研修だけでなくその前後こそが大切である」と考えている会社でないと「汎用解」は持ち合わせていません。

    (2)特化した質問
    「このAという研修の内容、方法は業務効率を高めるか?」と問う、いわばその会社の「特定解」をベースにした質問がこの「特化した質問」です。この質問の答えを、ステークホルダー自身が考えることがより人材育成に対しての各自の「エンゲージメント」と「バイ・イン」を促し、この質問を皆で繰り返すことで、ステークホルダー自身が研修効果測定に長けていけるはずです。


  4. 決定した「目標設定」とその「つながり」を実施、測定し、改善すべき人材育成施策(研修)は改善し、その結果をステークホルダーに告知し・・・をサイクルとしてステークホルダーで廻していく。

    最初に決めた優先順位(成長、利益、基礎、リスクという4つの)そのものの見直しも含めて、実質的には経営者+全社員で廻すことは不可能なので「人材育成委員会」などが、全社の代表として組織され、これを実施していくことが多いと思います。

    もちろん委員会はステークホルダーとは十分なコミュニケーションを取りながらその職務を遂行する必要があります。

    目標設定が研修の中だけのことではなくなり、顧客との関係の変化まで及ぶような設計になっているはずですから、「モニタリング」も必要になるでしょう。また、「測定」と一口に言っても、「人材育成の成果」を測定するためのツール(理論及びHRテック)は適切なものが必要です。

    一人一人の変化、及び組織の変化を測定するツール、モニタリングのノウハウは自組織で持ち合わせていれば良いのですが、なければそれらを得意とする専門家に相談をすることも時には必要です。

    さらに私共としては、「告知」の際に、「アローダイヤグラム」というツールがステークホルダーの理解を得るのには役立つのではないかと思います。「箱」と「→」からなる図で、目標相互の関連が理解しやすくなります。

まとめ

研修効果測定を行うことは当然、いや研修、つまり人材育成を行うのは当然ということに異論を唱える人は少ないかもしれません。しかし、特に「研修効果測定」に関しては、「言うは易し行うは難し」です。

経営者、そして現場を巻き込みながら人材育成の目標設定と目標相互の「つながり」を実施・検証を、人材育成担当のリーダー達が「皆をつないで」行っていく、これを「人材育成環境設計とその実施」と呼ぶならば、これこそが今後実施すべき「研修効果測定」のスタンダードなのかもしれません。

 

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