法人の購買行動プロセスの特徴と法人営業のコツ

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日々の営業活動でおさえておくべき5つの基本表紙.png日々の営業活動で押さえておくべき5つの基本
企業は生き残りのために、営業活動の革新が求められています。しかし、新しいことにチャレンジするにも、基本ができていなければ成果は半減してしまうでしょう。今回は「営業活動の5つの基本」について解説していきます。

 

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今日の会議では、『顧客の購買プロセスを踏まえた営業』
について話そうと思う!

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(あれ? 船長がまともなことを……!?)

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いいか。情報化が進んだ現在、顧客は営業マンに接触する前に、
自分でさまざまな情報収集を行うと言われている。

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(どうしたんだ、いったい……!)

s_IMG_廣田-crop.png情報収集を行ったうえで、いくつかの候補先を選定し、そこから実際に取引先を選ぶわけだが、営業マンと接触した段階でほぼ勝負は決まっていると言われている。そこで最後の一社に残るためには……。

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(残るためには……!?)

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やはり最後は『人間関係』なのである! 
提案書や価格ではなく、最後はやはり『情』!

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(ガクッ!!)

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基本は日々のあいさつ回りの徹底であーる! 
悪天候の日こそ足を運ぶこと! 努力・根性・義理人情!

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(顧客の購買プロセスは何だったんだ……)



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営業のクロージング段階の決定率が年々落ちてきています。この原因の一つとして、顧客購買プロセスが変化してきているためと感じています。法人の顧客購買プロセスについて、モデルのようなものはないのでしょうか?


s_IMG_原田.pngフィリップ・コトラーはマーケティング書の古典と言われる『マーケティング原理』において、一般消費者の購買行動を「情報認知―情報探索―情報評価―購買決定―購買後の行動」の5段階に分けて形式知化し、この形式知に基づいたマーケティング活動の重要性を訴えました。以降、一般消費者の購買行動プロセスの研究が進み、現在ではさまざまなプロセスモデルが提唱され、利用されています。

s_IMG_原田.png一方、企業の購買行動を形式知化する研究はあまり進まず、長らく放置されていた感がありました。ところが近年、企業の購買行動においても形式知化の重要性が認識されるようになり、その研究が急速に進んでいます。今回は法人における購買プロセスについて深めてみましょう。


 

時代と共に変化する一般消費者の購買行動プロセス

米国ではフィリップ・コトラーの購買行動プロセスモデルが有名ですが、日本では1920年代にサミュエル・ローランド・ホールが提唱した「AIDMA(アイドマ)」が重視され、以降、AIDMAが進化する形で一般消費者の購買行動プロセス研究が進んできました。

AIDMAとは購買行動は「Attention(注意)―Interest(興味)―Desire(欲求)―Memory(記憶)―Action(購買)」の5つのプロセスから成るとするモデルです。

つまり、消費者はテレビCMを始めとする各種広告で特定商品に注意を向け(Attention)、その商品が自分に関係があるものとして関心を示し(Interest)、その商品が自分の生活の役に立つとの欲求感を抱き(Desire)、その後、何度もその商品広告目にすることでその商品を記憶し(Memory)、やがてその商品を購入する(Action)というものです。

日本では、1960~80年代のモノ大量消費時代の基本的な購買行動プロセスモデルだったといえます。

しかし、1990年代以降、インターネットの普及で一般消費者の消費スタイルが変化してくると、AIDMAでは説明できない購買行動が目立ってきました。それに対応して電通が提唱したのが「AISAS(アイサス)」でした。

これは「Attention(注意)―Interest(興味)―Search(検索)―Action(購買)―Share(情報共有)」というプロセスを示したもので、AIDMAが示していた「Desire」と「Memory」を「「Search」と「Share」に置き換え、消費者は「商品に興味を持った後に、商品情報をインターネット検索し、購入後にその商品の使い勝手などをインターネットで発信する」との概念が入っているのが特徴です。

さらにAISASの購買行動プロセスをより細かく分析したモデルが、アンヴィコミュニケーションズ提唱の「AISCEAS(アイセアス)」です。これは「Attention(注意)―Interest(興味)―Search(検索)―Comparison(比較)―Examination(検討)―Action(購買)―Share(情報共有)」というプロセスを示したもので、AISASの「Search」を深く掘り下げ、検索プロセスに「Comparison」と「Examination」が盛り込まれているのが特徴です。

とはいえ、消費者のすべての購買行動がAISAS やAISCEASで説明できるわけはなく、現在ではこれらをさらに細分化した商品カテゴリー別など多様なモデルが開発され、マーケティング活動の最適化に活かされています。

要は、移ろいやすい消費者の本音をいかにして掴み、形式知化し、それに対応したマーケティング活動を展開するかが「BtoC市場(消費財市場)」における購買行動プロセスモデルの目的といえます。

では、「BtoB市場(生産財市場)」における購買行動プロセスモデルはどうなっているのでしょうか。

 

法人営業でも購買行動プロセスの形式知化が急務に

従来の法人営業では、「営業は足で稼げ」と言われ、営業社員は取引先に足繁く通い、取引先の購買担当者との人間関係を強めるのが「基本のキ」とされていました。

このため、「需要発掘―需要深掘り―案件選別・商談―クロージング」のプロセスを基本にした営業活動が現在でも行われています。

具体的には次のような活動です。

  1. 需要発掘~
    訪問営業により需要を発掘する

  2. 需要深掘り~
    購買担当者などの面談や接待でニーズを深掘りし、プレゼン、イベント、セミナーなどで取引先の購買意欲を盛り上げる

  3. 案件選別・商談~
    購買意欲のある案件を絞り込み、商談に持ち込む

  4. クロージング~
    取引条件など商談の詰めを行い、取引契約を締結する

しかし、ある調査では、法人の購買行動プロセスの約60%までが、営業社員が購買担当者に訪問アポを取る前に終わっていると言われています。つまり、営業社員が需要発掘や需要深掘りをする前に購買担当者はインターネットなどで自社に必要な商品情報を入手し、その選別をある程度済ませているというわけです。

こんな時代に需要発掘から始める「御用聞き営業」は無力化しています。

また、法人の購買行動は関与者が多いのが特徴です。

具体的には営業社員の窓口役である購買担当者のほかに、生産財の使用者として関わる現場責任者、生産財の購入に際しての技術的評価などを行う生産技術開発責任者などが購買決定に関わっています。このため、営業社員はこれら購買関与者にも個別にプレゼンなどの営業活動をする必要があり、これが「法人営業に購買行動プロセスの分析は無意味」との認識に繋がり、いわゆる「腰の軽い営業マン」が重宝とされるゆえんでもあったといえます。

ところが、バリューチェーン(生産財調達から製品・サービス提供までの事業活動の価値連鎖)の考え方が普及してきた近年、BtoB市場においては「購買の集中化と分散化」の動きが加速しています。

まず、購買の集中化においては、工作機械、ライン設備など高額生産財の購買意思決定は関与者が従来以上に複雑多岐になり、営業社員が接触不可能な関与者や人間関係を築く余地がない関与者が増えました。

また、購買の分散化においては、経営判断の迅速性の観点から現場への権限移譲が進み、消耗品など低額生産財の購買は購買部門ではなく現場が直接決定する傾向が強まっています。ここではBtoB市場の取引形態ではなくBtoC市場の取引形態が主流です。大半が価格競争になります。ここでも従来の「御用聞き営業」がもはや通用しなくなっています。

そこで急務になってきたのが、法人の購買行動プロセスの形式知化と言えます。

万能の法人購買行動プロセスモデルは存在しない

今日、マーケティング業界においては、さまざまな調査や事例分析から、法人の購買行動には「購買決定の関与者が多い、多数の関与者により合理的・客観的に決定されるので購買決定までの時間が長い、過去の取引実績が有利になる」と、3つの特徴が明らかにされています。

調査や研究から導き出した購買行動プロセスモデルは、従来の法人営業活動を改善してゆくうえでまたとはないヒントになります。

しかし、法人の購買行動プロセスモデルにも例外が多数見受けられます。いくら研究が進んでも、どの法人営業にも適用できる万能のモデルは存在しないでしょう。

したがって、現在の法人営業においては、自社取引先個別の購買行動を綿密に調査・分析してそのプロセスを科学的に形式知化し、それに則した取引先別の最適な営業活動が何より不可欠であり、さらには、中長期的に取引先との信頼関係を深め、「過去の取引実績が有利になる」活動がますます重要性を帯びてきたと言えるでしょう。

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日々の営業活動でおさえておくべき5つの基本表紙.png日々の営業活動で押さえておくべき5つの基本
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